企業ドキュメント:徳島大学病院 様 ~第2部~
徳島大学病院様 大学病院が変わる:第2部
大人だから学びたいことがある
大学病院と言えば縦割り社会。
「白い巨塔」と、までは言わないものの大組織であることに変わりなく風通しの悪い部分がある。
看護師がコミュニケーション学習をすれば、同僚との関係や患者らとのやり取りが円滑になる。徳島大学病院看護部は新たな取り組みを始めている。学習のために集まった時、初めて話す同僚ばかりだった。
学ぶ場が交流の場
同院の安全管理対策室の長谷奈生己さんはコミュニケーション学習の場で、徳島大学病院 長谷奈生己様 吉川美津子様看護部副看護師長の吉川光子さんと初めて会話を交わした。
これまで院内で働く姿は見ていたが、特に接点もなく「多分どこかのえらい婦長さん」というイメージしか持っていなかった。
同じ大学病院内で同じ職種であっても担当が違えば別組織。
顔ぐらいは見たことがあっても会話を交わしたことがないのは普通のことだ。
同院は3年前から、看護師の役職クラスが研修として米国生まれの神経言語プログラミング「NLP」を使ったコーチングを受け始めた。
緊張感の伴う仕事場だけに人間関係で問題が生じることも多かった。
大勢の看護婦たちがいる職場の潤滑や患者との関係性向上のためにはコミュニケーション法を学ぶ必要がある、と病院側が判断した。
その効果を最初に実感できたのは学習内容ではなく、他部署の人との「横のつながりができたことだった」という。
長谷さんは「いい顔合わせの場になった。しかもそれがコミュニケーションの勉強だったので、よりお互いを分かり合えるようになれた」。
吉川さんは「学んだことが共通の話題になった。初めて話す人たちと共有するものができたのは大きかった」と、実感を語る。
同じ場所で、同じ目的意識を持った学習の場を持つことが看護婦同士の関係性を深めた。
雰囲気が楽に
受け答えのタイミングやあいづちのトーン、目線の運び方などNLPは、人がとる行動にどんな感情や思考が込められているかが体系化されている。
条件反射的にとる自分のしぐさで、自らが周りにどんな印象を与えてきたかを知ることができる。
吉川さんは「まずは自分がどういう人間かよく分かってきた。すると他人との違いも認められるようになった」と話す。
長谷さんは「前までは『あの人どうして分からないの』と怒っていたが、セルフコントロールできるようになって気持ちに余裕が出た」と、確実な変化を感じていた。
新人たちが新たに仕事を覚えたとき、これまで「それが当然」と思ってきた。
しかし、最近は「あの子がこれをできるようになったのか」と成長を認め、喜べるように変わっていった。
さらに学習を深めたいと思うようになり両氏は、同院で出張コーチングを務める大阪市中央区の「ワールドユーアカデミー」の本教室まで月に一度通い出すようになった。
そこでNLPを活用したCOREトレーニングを学んだ。
二人の会話は女子学生のそれのようだ。
徳島大学病院 長谷奈生己様 吉川美津子様「吉川さんを見てるのは本当に楽しい。こんなに人は変わるんだと思えて」(長谷さん)
「そんなぁ前はどうだったのよ」(吉川さん)
「まとう雰囲気が前とまるで違うよ。寄せ付けない空気出てたもん」(長谷さん)
「確かに苦手な人でも受け入れる土壌はできたかも」(吉川さん)
二人の笑顔は職場の居心地が「楽」になったことを物語っている。
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