企業ドキュメント:徳島大学病院 様 ~第1部~

徳島大学病院様 大学病院が変わる:第1部

大人だから学びたいことがある
「一生懸命やっているのに」-しかしうまくはいっていない。
気持ちはあるのに同僚や患者さんと意思疎通がとりづらい。職場の人間関係で悩む彼らをどのようにサポートすればいいのか…。

そんな中、法改正をきっかけに約100人の新人看護師が大学病院へと採用された。

個人の資質じゃない。

2005年、徳島大学病院の副看護部長として総務を担当していた鈴記洋子さんは窮屈にしている職場スタッフに気付いていた。
同僚と、患者と、医師らと。
「人間関係」に不安を抱えるナースは多い。

「医師は疾患を診る。看護師は疾病を持った人を看る」と鈴記さんは、自らの理念を語る。
単に病気を治すのではなく患者個々人が病院に来る前の生活へと戻れるように援助する。それが看護師の仕事だと考える。

患者の気持ちに寄り添うためには、覚悟とコミュニケーション力が必要だ。
しかし、それらは個人の資質の問題で「教えられるものではない」と思っていた。

何か糸口はないかと調べるうちに鈴記さんは「ワールドユーアカデミー」のCOREトレーニングと出合った。
COREトレーニングは言葉や行動の一つ一つが体系化され、相手への印象をコントロールできる理論がまとめられている。

大阪市中央区でコミュニケーショントレーニングを行う同社を訪れる。
そこで仲村恵子同社長に「個人の資質じゃない。トレーニングしていないだけ」と言われ、救われた気がした。

「7対1看護」導入

「昨日はよく休まれましたか」会話の中で患者との距離は近くも遠くもできる。
「声のトーンの上げ下げ一つとっても気持ちの伝わり方が大きく変わってくる」(仲村社長)

半年間トレーニングを受け、視野が広がった。
鈴記さんが実感したのは「自らの人間性と他者との違いがはっきりしてきたこと」

これなら職場の人間関係が円滑になる「病気の人を看る環境」が変えられると考えた。

07年、診療報酬の改定で患者7人対して看護師1人が当たる「7対1看護」の体制が推し進められるようになった。
「10対1」からの体制変更に同大病院も一気に100人近い看護師を採用した。
時を図ったように同年、鈴記さんは教育担当副部長になった。

分かり合う病棟へ

鈴記さんは看護部長ら院内関係者を説得し、同社のCOREトレーニングの出張授業を依頼した。
当初は多数の新人が入職した部署の教育担当となった20人が学習し、翌年には病棟の責任者である師長を対象に研修をするなど除々に枠が広がっていった。

「人との違いを明確化できるようになって、お互い分かり合おうという雰囲気はできつつある」と、鈴記さんは病棟の変化を感じている。
今では若手を含む120人の看護師がCOREトレーニングの講座を受けるようにまで広がった。

大きな組織が変わろうとしている。
鈴記さんは「大学病院は知識や技術は確かに高いが、近づきづらい印象。
看護師同士の空気や患者さんへの気持ちが伝わればきっと新たなスタイルが見いだせるはず」と言い、静かにうなずいた。

「これからが面白い。人が変わっていくところを見るのはすごく楽しい」と笑顔で未来を見据える。

第2部に続く・・・第2部はこちら




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